Rails Is A Ghettoの件から考える

年明け早々ネットを徘徊していたら、いきなり衝撃を受けた。

Rails Is A Ghetto

Railsでよく使われるMongrel(自分は使ってないけど:p)の作者(Zed氏)が、Railsコミュニティ&自分の境遇にぶち切れているではないですか。artonさんの邦訳(12)がニュアンスまで伝わってきておまけに解説まで有ります。

Railsコミュニティの問題(主にコミュニケーション問題に起因しそうですね)等については関心無い訳ではないのですが、それよりもぐさっと来たのが、Zed氏の6ヶ月の無料奉仕(Mongrelの作成期間)において、氏曰く正当な評価を受けていない(Googleからもオファー来たけど初級アドミンだと!!とか)、という点でした。artonさんの解説によると

一言で言えば、Zedはあまりに技術的で、ストレート過ぎるのだと思う。彼が「いいやつ」と表現する場合、彼が「金を寄越せ」と表現する場合、両方に漂うマルビ(こんな言葉知らないだろうね)な感じがそれだ。ぜんぜん、ビジネスの感覚が無いのだ。

とあって、金銭的なものをまるで否定する感覚(原文でIndustryという語が多用されているのも、なにかそれを否定する感覚があるように思う)と、なのに「なぜ俺を評価しない」というギャップが非常に印象的です。氏のキャラクターがそもそもロッカー気質のようなので割り引く必要がありそうですが、これは旧来から有る売れない(商業的に成功しない/あるいは食っていけない)アーティストの姿そのもののような気がします。自分もオープンソースの作者の端くれとしても生きているので、気持ちはよく分かります。

この辺り非常に興味が合って、自分の会社でもそういった人を雇ったり、またオープンソースをメインで事業を回したり(たとえばMySQL ABとかのように)できるようになったら、すばらしいと思うので、こういったアーティストの心理とか、そもそも自分が書きたいコードだけを書いて食っていけるのか、、など研究しようと決めました。で、早速出会った本が、ちょうど1年ぐらい前に邦訳が出た


金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか

金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか

かなりボリュームがあってまだ超斜め読みしかできてないですが、それでもかなり良い本&分かりやすく書かれていると感じました。乱暴ですがアーティストをオープンソースソフトウエア作者と読み替えれば、かなり通じるところが有りそうです。
この本についてはあとで。

それから「大丈夫か音楽業界」的なのが最近注目されていてこれも非常に興味が有りますが、(「終わりの始まり」―― 音楽業界の2007年と2008年とか)これも何か通じるところが有るような気もしないでもないです。なんか考えがまとまったら(なんか頭の中がごちゃごちゃしてきたよ・・)書きます。