iPhoneアプリのマーケティングについての熱い議論で目鱗した件

昨日ぼんやりTUAW(MaciPhoneなどのニュースブログ)のフィードを消化していたら、なんかLivechatでEricaさん(もう説明不要なぐらい有名なiPhoneハッカーの方)とかが、iPhoneアプリマーケティングについて話していたので、あまりのタイプスピードに圧倒されながらも、liveで見てしまいました。

http://www.tuaw.com/2010/01/15/tuaw-livechat-promoting-your-app-store-products/

僕は今フリーランスiPhoneアプリの開発受託で日々iPhoneアプリ開発ばかりしていますが、アプリを開発する手段手法についてはもうだいたい把握出来てきた感があって、むしろアプリの企画やマーケティングについて、とても興味がある今日このごろです。そのためもあってか、非常に面白く感じました。全文を訳したいぐらいの勢いなのですが、とてもそんな余裕がないので、要点と僕が思ったところだけ引用してみます。アプリのマーケティングに興味がある方はぜひ全文読んでみることをお勧めします。以下の他にも色々細かいアドバイスなどもあります。

こんなアプリのレビュー記事を書きたい

Ericaさんは、TUAWなどでのアプリのレビュー記事を書くこともされていますが、日々大量のつまらないアプリのレビュー依頼にうんざりしているそうです。じゃあ、むしろどういうアプリをレビューして記事を書きたいのか。

10:49 Erica: See Brian's amazing advice above. Namely: I think that a great subject line has to be clear in what the release is about, and be understood in about .5 seconds. And be entertaining/interesting -- Brian Akaka
Erica: That's what gets us interested
Erica: Beyond that, have an app that we can really love
Erica: Don't send in an 85% app
Erica: Don't send in an app that's just so-so
Erica: We don't want to review same-old, same-old
Erica: Find a niche. Something different, useful, or fun. It doesn't have to be beautiful iAssociate is a great example of this. It's simply a great app. It's also freaking ugly.

ニュアンスはこんな感じでしょうか。

  • レビュー依頼メールのSubjectを、そのアプリが何のアプリかというのを0.5秒でクリアーに分るのにしてほしい。なおかつ、これは楽しそうだ、面白そうだ、とか思わせるやつ。そうすれば私達は興味を持つでしょう。
  • このアプリはよい!と我々レビュアが思うクオリティをさらに越えてほしい
  • 85%の完成度のアプリを送らないで
  • まあまあじゃねぐらいのアプリを送らないで
  • 私達は月並なレビューは書きたくないんですよ
  • ニッチを探しましょう。なにか違うもの、便利なもの、面白いもの。それはかならずしも美しい見た目をもっている必要はありません。iAssociate が良い例です。iAssociateは、ひどく不恰好だけど、ただただすごいアプリ。

これは2点に集約される気がしていて、1つは、大量のレビュー依頼があるので、レビュアーに見逃されないように工夫しろ、っていうことと、もう1つは、レビュー記事が面白くならなければ書く意味がないのではないか、って話かと。記事を書く立場になると、そりゃそうですねとしかいえない。逆に言うと、アプリの企画の段階でこの辺はある程度見えてくる気もするので、そのアプリがどんなレビュー記事になるかを想像しながら企画を練ってみるのもよいかと思いました。

iPhoneアプリマーケティングにはイノベーションが必要

iPhoneアプリマーケティングは、そもそも新しい手法が必要なのではないかという話。

10:55 Brian Akaka: Just a quick comment, that I wanted to make sure to fit in: Developers as a whole are an incredibly innovative and resourceful bunch... they see the potential of the device, and set out to do something that they think hasn't been done before, or at least not as well. My advice is to strive for that same level of ingenuity and innovation with marketing...

このぐらいのニュアンスでしょうか:"アプリ開発者は、iPhoneバイスの可能性や、まだ誰もやったことがないこと、いままでみんなが上手くできていなかったことを革新しようと、そちらに目がいきちがち。だけど、私(Brianさん)のアドバイスとしては、発明やイノベーションの努力を、マーケティングにも同じぐらいしてはどうか、ということです"

AdMobの有効性について

広告の話からAdMobについて。

10:43 Erica: AdMob is FABULOUS for Cydia apps
Erica: Not fabulous for App Store apps
Erica: App Store consumers aren't clicky
Erica: AdMob is really easy to use. I'm using it for many of my Cydia apps. I tried funding Converter with it in App Store and found that I couldn't make the finances work. So I withdrew Converter from App Store. TO THIS DAY, I am *still* getting daily questions from Converter users wondering why it no longer works. Answer: Because the click ads did not support the service that was needed to keep the data current.

AppStoreアプリではなく、むしろCydia apps(JailbreakされたiPhoneでのみ使えるアプリ)に有効というのは意外でした。AppStoreでアプリを入手する人は、そもそもクリックしないと。ではなんでCydia appsに有効なのかがいまいちわからず。AppStoreができてからJB系のCydiaとか見てみてないんですが、これはみてみないとな、とか。

最近中国のiPhone事情を聞かせて頂く機会があったのですが、どうもやはりiPhone自体の流通の問題(正式なものが出たのはつい最近)で、中国ではJBされたiPhoneがまだ大量に出回っているそうです。それを考えると、JBの市場もあなどれないのかもしれません。が、正直、グレーなのが否めないところなのですよね。。

そもそも広告ってどこに打ったらよいの?

これが一番目から鱗の話でしたが、そもそも広告出すところ間違ってね?って話。

10:38 [Comment From Alvaro] I am planning an App for teachers. Do you have hints about where I could advertise it?
Erica: Alvaro: Educational mailing lists are a great place to start
Steve Sande: Alvaro - good question. Look at a lot of websites and blogs dealing with education, and send your app to those sites.
Steve Sande: There are some very well-trafficked sites for teachers that would be critical for educational apps.
Erica: What's great about mailing lists is first, you get active members who can help influence your design. Second, you have people who are your target audience who can help build sales via word of mouth

ニュアンスは、こんなかんじでしょうか。

  • Alvaro: 教師のためのアプリを計画してるんですが、どこに広告出したらよいでしょかねえ?
  • Steve: いい質問ですね。教育を取り扱っているようなサイトやブログはいっぱいありますよね。そこのサイトにアプリを送ってはどうでしょう。おそらく教師向けでとてもよいトラフィックを集めているサイトはいくつかあるのではないでしょうか。そういうサイトは教育アプリにとっては重要になってくるのでは。
  • Erica: 教育者向けのMLとかで始めてみるのはどうでしょう。MLで始めてみるのが良いのは、あなたの企画を広めるのを助けてくれるMLでのアクティブな人を見つけられるのではないか、ということです。そうすれば、クチコミでアプリを買ってくれるような人々に広めてもらうこともできるのでは。

そもそも、iPhoneアプリだからといって、iPhoneをとりあつかっているTUAWに広告出すとかというのは、そもそも話にならんということですねw ターゲット化されているアプリは(というかターゲット化されてないアプリってあるのかな?)、まずユーザーが居る場所(サイト、ML、そのほかオンライン上などのコミュニティ)はどこか、ということを考え、そこに投下するのが筋ではないかという話。これも言われてみればあたりまえのことなのですが、なるほどそうかと目鱗。

例えば、写真アプリだったら、iPhoneユーザが居るとかとりあえず関係なく、写真好きが集ってるところに広告投入するとかそういうことですね。むしろ、そういう層に上手にアピールし、「あ、こんなアプリあるんじゃ、iPhone欲しくなるなー」と思わせてみるのも面白いかも。

おまけ

10:15 Erica: (Steve: Remember the Japanese guy with the "Her attract point is big bust" who e-mailed us daily?)

これだれww