Flash Player 10 Beta (Astro) 出ました
本日、コードネームでAstroと呼ばれてた、Flash Player 10 の beta 版が Adobe Labs で公開されました。
- リリースノート: http://labs.adobe.com/technologies/flashplayer10/releasenotes.html
- リリースノートの和訳:http://wiki.libspark.org/wiki/FlashPlayer/10/ReleaseNote
- ダウンロード: http://labs.adobe.com/downloads/flashplayer10.html
GPUアクセラレーション関係とかかなり拡張されているようです。Action Script は 3.0 (AVM2のまま?) のようですが、未だドキュメント等は公開されていないようです。spark project や、Shibuya.abc で有名な beinteractive さんが早速解析してました。
動画関係も拡張されるようで、興味があったのでその部分リリースノートを元に調査しました。その部分だけまとめます。
Dynamic Streaming
クライアント (Flash Player) の回線状況に応じて、動的にビットレート調整された状態で配信できるようです。
これは新しい(まだ出てない)Flash Media Server(以下FMS)で配信するというのが前提のようです。*1 Windows Media のように、あらかじめいくつかのビットレートに応じてエンコードしておくのか、あるいは、リアルタイムにビットレートを調整した物へのトランスコーダがサーバに内蔵されるのか、とかあたりも気になるところ。
RTMFP
詳細不明のUDPベースのP2Pプロトコル ? に対応のようです。これも新FMS等が必要。
リリースノートにもありますが、どうも Amicima という会社を最近 Adobe 社が買収してて、そこの技術が使われているようです。Wikipedia の項目によると、中枢の Secure Media Flow Protocol (MFP) という部分はどうも GPL でソース公開までされていたようですが、残念ながらサイトごと消されてしまっていて、現在入手不可能なようです。探せば誰か持っているかなあ。
もし Flash Player 同士の P2P が実現できるとなると、かなり大規模配信とかでも、配信する人がサーバ&インフラコストを現在のように莫大にかけないでも出来るようになるのかもしれません。あるいは、Skype のビデオチャットのような物が、映像ストリームをサーバ介さないで、ブラウザにある Flash だけでできるとか?*2 妄想は膨らみます。
Speexコーデック
オープンソースな、スピーチコーデックに対応のようです。
おそらく主に、上記のRTMFP などで、チャットなどで使うためのコーデックと思われます。従来はスピーチコーデックは、 NellyMoser という、プロプライエタリなコーデックが選べましたが、それを使わなくてもすむようになったようです。NellyMoser でいろいろ苦しんでいた人たちには朗報。
(追記)
Amicima社で公開していたGPLソースですが、Weyback Machine を使って、この辺りから回収できました(これ以上新しいのは現時点では回収不可能でした)。今ソースとか読んでるところ。
*1:というかこれは、サーバー側だけの対応で出来るような気もするが... 画角とかを動的に(映像/音声をとぎらせないで)変えられる? あるいは、ActionScript側でネットワークおよびCPUの情報が取れるようになるとのことなので、その点を指しているのかもしれません.
*2:P2Pでなければ、Yahoo! Live とかはありますね。